本章で学んだ情報を使用して一般的な個人の資産運用勘定科目表を作成する手順に進みましょう。
勘定科目表は、財務を追跡するために勘定科目をグループ化するための単なる新規GnuCash
ファイルです。
勘定科目表を作成する時の最初の作業は、追跡したい項目を会計の基本勘定科目タイプに分割することです。
これは極めて単純です。例にいきましょう。
銀行に当座預金口座と普通預金口座を持っていて、職に就いていて、給与を受け取ると仮定しましょう。 クレジットカード(Visa)を持っていて、家賃、電話および電気の使用料を毎月支払います。 当然、食料品も買う必要があります。 今は、銀行にどのくらいお金があるか、クレジットカードでどれくらい借りているかなどは気にかけないことにします。 この勘定科目表のためのフレームワークを簡単に作成したいと思います。
資産は銀行の普通預金と当座預金です。 負債はクレジットカードです。 純資産は銀行口座とクレジットカードの初期値(まだ金額を決めていませんが、存在することは知っています)です。 給与の形式で収益があり、食費、家賃、電気代、電話代、および給与に掛かる税金(国税、社会保障、医療保険)の形式で費用があります。
今、これらの勘定科目をどのようにグループ化したいか決めなければなりません。
たぶん、資産を一緒にグループ化し、負債を一緒にグループ化し、純資産を一緒にグループ化し、収益を一緒にグループ化し、費用を一緒にグループ化したいと思うでしょう。
これはGnuCash
勘定科目表を作成する最も一般的な方法です。そして、いつもこのように開始することを、強くお勧めします。
メニューから
GnuCash
ファイルより開始します。
新規勘定科目階層のセットアップアシスタントが開始します。
あらかじめ定義された勘定科目構造を使用したくない場合はアシスタントを閉じるために を押してください。そのかわり、一から基本的な開始勘定項目構造を構築する必要があります。
空のGnuCash
ウィンドウで
→
を選択してください。すると、勘定科目タブが開きます。
最後に
→
を選択してください。
これで基本的な開始勘定科目構造を作成する準備ができます。
勘定科目名資産(勘定科目タイプ資産、親勘定科目新規最上位勘定科目)
勘定科目名負債(勘定科目タイプ負債、親勘定科目新規最上位勘定科目)
勘定科目名純資産(勘定科目タイプ純資産、親勘定科目新規最上位勘定科目)
勘定科目名収益(勘定科目タイプ収益、親勘定科目新規最上位勘定科目)
勘定科目名費用(勘定科目タイプ費用、親勘定科目新規最上位勘定科目)
最上位勘定科目を作成した時、GnuCash
のメイン勘定科目ページは次のようになります。
今、現実の取引を保持するいくつかの子勘定科目をこの基本的な最上位ツリー構造に加えます。 税金に関係する勘定科目が税金という子勘定科目の中に配置されるのに注意してください。 子勘定科目の中に子勘定科目を作ることができます。 通常は(この例における税金勘定科目のように)関連した勘定科目のグループ化を行います。
ヒント | |
---|---|
メニューから 勘定科目を新規作成...項目を選択することによって、その勘定科目に新しい子勘定科目を作成することができます。 この場合は新規勘定科目が親勘定科目の子となるように既に設定されている「基本最上位勘定科目」とほぼ同じダイアログが開きます。 → を選択する代わりに、主勘定科目名を右クリックして、 |
勘定科目名当座預金(勘定科目タイプ銀行、親勘定科目資産)
勘定科目名普通預金(勘定科目タイプ銀行、親勘定科目資産)
勘定科目名Visa(勘定科目タイプクレジットカード、親勘定科目負債)
勘定科目名給与(勘定科目タイプ収益、親勘定科目収益)
勘定科目名電話料金(勘定科目タイプ費用、親勘定科目費用)
勘定科目名電気料金(勘定科目タイプ費用、親勘定科目費用)
勘定科目名家賃(勘定科目タイプ費用、親勘定科目費用)
勘定科目名食費(勘定科目タイプ費用、親勘定科目費用)
勘定科目名税金(勘定科目タイプ費用、親勘定科目費用)
勘定科目名国税(勘定科目タイプ費用、親勘定科目費用:税金)
勘定科目名社会保障(勘定科目タイプ費用、親勘定科目費用:税金)
勘定科目名医療保険(勘定科目タイプ費用、親勘定科目費用:税金)
勘定科目名開始残高(勘定科目タイプ純資産、親勘定科目純資産)
これら追加の子勘定科目を作成した後の最終結果は次のようになります。
後の章でそれらを使用し続けるので、gcashdata_3
およびgcashdata_3emptyAccts
という名前で勘定科目表を保存します。
今、単純な世帯の家計を追跡するための勘定科目表を作成しました。 この基本的なフレームワークができあがったので、今、取引で勘定科目を使用し始めることができます。 次の章ではさらに詳細な内容を説明します。